猛毒だと思われていたダイオキシン― 近年では「人間にはそれほど害はない」という学説が主流になっています。メディアによる「ダイオキシン猛毒説」は如何にして流布されたのか? 科学者の武田先生がその裏を語っています。
武田:ダイオキシンは1972年に「動物に対する著しい毒性がある」ということが報告されて― 奇形だとか、生理的な異常だとか、慢性的な疾患が出るという報告でしたね。サリンのような急性毒性とはちょっと違う。

1973年頃から慢性毒性試験が行われました。試験結果が出る前に騒いだ何名かの科学者がいました。1990年くらいに「ダイオキシンは猛毒だ」という本が次々と出版されました。僕も1995年くらいまではそう思っていたんです。本を読んで「凄い毒性だな」と思っていたの。ところがちょっと考えたんです。「1975年から慢性毒性試験が始まってもう分かったの? ちょっと早いな」と。こう思って本を買い直して読み直してみたんですよ。疑いの元に本を読んだら、人間とダイオキシンの関係のデータが無いの。1995年以前のダイオキシンの本には人間のデータがありません。

1999年から2001年に掛けてデータがダーッと出ました。それを見るとダイオキシンの毒性データが出てこないんですよ。2002年に東大の医学部の和田先生が「ダイオキシンは毒じゃない。社会が作り出した毒だ」という論文を出します。その先生は日本毒物学会会長でもあり、免疫学会会長でもあったと思います。「安全だ」という論文を書いて病気が出てきたら東大教授を辞めなければいけなくなるから、よっぽどの覚悟で書かれた。それで論文を読み返して― それでも自分の考えが間違っているかもしれないと思ったので、静岡で行われたダイオキシンの研究会に行った。外では「ダイオキシンが毒だ」と言っているのに、研究会では誰も言っていない。動物に対しては言っているけどね。

(略)
今ははっきりしています。ベトちゃんドクちゃんは遺伝性疾患。ユシチェンコは塩素系農薬です。マスコミがダイオキシンと報道するからダイオキシン患者が出ちゃう。ダイオキシンが毒物だとか、ダイオキシンの患者さんというのはマスコミの創造物でした。マスコミは間違いが分かってからピタッと(報道を)止めました。その時に「ダイオキシンが猛毒というのは嘘でした」とやってくれていたら随分違ったんだけどそれをやらない。だから今でもダイオキシンが毒物だと思う人が多い。

半井:動物には害はあって、人間には害がないというのは何処に差があるんですか?

武田:それは酸素を吸っても死ぬ動物はいますから。たとえば「亜鉛を規制する」というのがあったんですね。ウスバカゲロウは亜鉛で直ぐに死ぬんですよ。だけど人間は亜鉛が無いと味が分からなくなっちゃうし、膝もガクガクするし、必須元素ですよ。ある動物がそうだからといって、人間もそうだとは限らない。その逆のケースがサリドマイド。サリドマイドは動物実験全部OK。猿も大丈夫。ところが人間では手のない子供が出ちゃう。一番ダイオキシンに弱い動物は海生哺乳動物。アシカとか。なぜか? 焚き火をしないからです。ダイオキシンは焚き火すると出てくるんです。山火事とか。それに一回も触れていないので― ダイオキシンは元々生物にある程度毒なんです。ところが人間は自然界にあるダイオキシンの1万倍のレセプターを持っているんです。なんでそうなっているか? 人間は火を使うからです。

僕等はダイオキシンに対して1万倍のレセプターを持っている。世の中が「ダイオキシン」とやっている時にそれが分かっている。でも報道しない。騒いだ方が視聴率上がるから。1800億円の焼却炉利権とか分析費利権― その利権とマスコミがくっ付いて、患者を作り上げていたのがダイオキシンです。

引用:虎ノ門ニュース 8時入り![2015/9/14]
筆者も極最近まで、ダイオキシンは猛毒だと思っていました。