朝日新聞は7月11日の朝刊で「憲法学者122人回答、違憲104人、合憲2人」という見出しの記事を出しました。圧倒的多数の憲法学者が集団的自衛権の行使容認に対して「違憲」という見解を示したという記事だったわけですが、6割超が「自衛隊は憲法違反である」という結果は報じませんでした。この件について評論家の宮崎哲也さんが苦言を呈しています。
宮崎:7月11日の朝刊一面で「憲法学者122人回答、違憲104人、合憲2人」という見出し。集団的自衛権の行使容認に対して、圧倒的多数の憲法学者が違憲という見解を示したという記事だったわけですけど― 実はこのアンケートには質問が5つあって紙面に反映されたのは1番目と2番目と3番目だけ。4番目には「現在の自衛隊の存在は憲法違反にあたると考えますか」という問いがあったんです。私は「今の憲法学者の半分くらいは自衛隊の存在そのものは違憲だと思っているだろう」と申し上げました。実際に十数年前のアンケートでは7割以上が「自衛隊は違憲だ」と答えていたんです。今どうなのかこれで分かるんですよ。

「自衛隊の存在自体が憲法違反にあたる」と答えた人が50人で41%、「憲法違反の可能性がある」と答えた人が27人で22%。63%が違憲、若しくは違憲の可能性があると。なぜこれを載せないんですか? 私は「まだ63%もいるのか」と思って驚きました。

飯田:このご時世であっても―

宮崎:衆議院の憲法審査会で、長谷部恭男さんと小林節さんと笹田栄司さんの3人が、「集団的自衛権の行使容認は憲法が認めた自衛権の範囲を逸脱している。違憲である」と言ったでしょう。それに対して自民党の谷垣幹事長は「憲法学者は自衛隊の存在は憲法違反だという人が多い」。法制局長官も「憲法学者は伝統的に自衛隊は違憲とするものが多い」というふうに述べた。それに対して、この3人は「自衛隊は合憲だ」と― 東京新聞、中日新聞に出たわけですよ。でも、現実には憲法学者の6割以上が違憲だと考えていた。それを朝日新聞は隠したかったんだと思います。

引用:ザ・ボイス そこまで言うか![2015/7/28]
なぜ朝日新聞は一部のアンケート結果を隠したのか。それは国民の信頼を受ける自衛隊を憲法違反だとして否定すれば、憲法学者そのものが国民から否定されるからです。憲法学者が否定されれば「集団的自衛権の行使は違憲である」という主張にも説得力が無くなります。

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